パレスチナのガザ地区に支援物資を運ぼうとした船が、去年5月、イスラエル軍に拿捕(だほ)され、トルコ人の活動家9人が死亡した事件で、1日付米有力紙が、国連が昨年のイスラエルによるトルコのパレスチナ支援船襲撃に関する報告書の内容を報道した。
国連報告書がイスラエル側の主張を大幅に取り入れ、パレスチナ自治区ガザの海上封鎖を「合法」と擁護しており、ダウトオール・トルコ外相はその内容に不満を表明し、2日の記者会見で、イスラエルとの関係を一段と縮小し、駐トルコのイスラエル大使を今月7日までに国外に追放するほか、イスラエルとの軍事協力を停止すると発表した。
外相は4日までに、地元テレビに、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザの境界封鎖の合法性を争うため、国際司法裁判所(ICJ)への提訴手続きを今週中に行うことを明らかにした。
イスラエル政府は声明を発表し「船を拿捕するに当たり、兵士の正当防衛によって死者が出たことは遺憾だが、謝罪するつもりはない」としてトルコ側が要求している謝罪を行う考えがないとの立場を改めて示した。ただ、トルコは中東でイスラエルと国交を持つ数少ない国であるだけに「イスラエルはトルコとの関係を重要視しており、今後も関係改善に向けた努力を続ける」として関係修復に努める考えを示している。
1990年代以降、両国は軍事協力を通じて事実上の同盟関係を築き、イスラエルにとってトルコは中東地域の数少ない友好国だったが、支援船拿捕(だほ)事件以降、両国関係は急速に冷却化。反体制デモ弾圧が続くシリア情勢が緊迫する中、シリアに隣接するイスラエルとトルコの和解は地域安定に不可欠とみる米国が仲介を試みたが、双方の溝は埋まらなかった。
エジプトに続き、中東地域の友好国トルコとの関係が悪化したイスラエル。聖書には、「わたしは、すべての国々を集めて、エルサレムを攻めさせる。」(ゼカリヤ14:2)と書かれている。これは、終末に関する預言だが、この預言から、終わりの時代にイスラエルと友好的な国が一つもなくなることが分かる。今回のトルコとの関係悪化は、黙示録の時代への足音を感じさせる出来事である。
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